リンちゃんの幼い頃

↓お暇でしたらどうぞ~↓(リンちゃんって幼少期、辛かったんだろうなァ

と思ってうpした思いつき小説)

 

 

朝起きると、みんな、いなかった。
なんてことは当たり前だ。
理由も、帰ってくる時間も、リンは知らない。教えてもらえない。
寝ぼけ眼をこすって、リンはその部屋を後にした。
まだ少女、とも呼べない程に幼い彼女は、自分のぷにぷにとした、短い腕を見る。
ひとつ、昨日の夕方に打たれた鎮痛剤の注射の痕に、はがれにくいバンドエイドが貼ってある。
(はがさなきゃ)
手を出して、勢いよく、端からバンドエイドを剥がす。
横で書類に何か書き込んでいた研究員がこちらをちら、とみたが、何も言わなかった。
(ちゅうしゃのあと、おにいちゃんは、またおこる)
それはリンに怒るわけではない。
けれど、リンはサニーが真っ赤になって泣いていると、自分が怒られたみたいにずきり、とする。
(ここが、きっと、なんのちゅうしゃ、ってきく)
でもリンには分からない。何の注射か分からない。
それはココにも分からない。彼も自分がされた注射が何か知らないように。
(きっと、ぜぶらもおこる。ちょーしにのるな、っておこる)
それが本当は誰に言いたい言葉なのか、リンは知ることがない。
ゼブラは何か聞こえるようだけれど、残念ながら、ゼブラは薬の番号の意味を教わっていない。
(でも、とりこは、きっとだいじょうぶ、っていってくれる。きっとわらってくれる)
だからリンは気付かない。トリコがどこで嘆いているのか、探すことができない。
リンが、その笑った顔に安心すると、他の三人も、ため息をついて、リンを撫でるから、トリコの大丈夫が待ち遠しい。
隣でペンの音が止んだ。
他の研究員が、点滴のスタンドを引きずってきた。
ああ、ああ、トリコの髪みたいに真っ青な液体がぶら下がっている。
リンは自分よりずっと背の高いスタンドの先のその液体のパックを、掴みたいと思う。
しかし彼女の短い腕は、どんなに背伸びしてもそれに届かない。
しばらくして、掴むのを諦めたリンの腕を研究員は捕まえた。
「ねえ、なんのくすり?」
リンがうつむいて、そう聞いたが、研究員達は何も言わない。
せめて、何の薬なのか知りたいとリンは思う。
何の薬なのか知って、ココとゼブラに笑って教えて、サニーとトリコにだから大丈夫、と言いたい。
「ねぇ!なんのくすりなの!」
研究員は、ちら、とこちらを見た。黙れ、と言う意味だった。
リンは泣き声もあげれずに、点滴の針に刺された。
(また、ばんどえいど。きっとおにいちゃん、おこるなあ)
きっと真っ赤になって、怒るなあ。三人とも怒るなあ。
でもきっと、トリコだけは、大丈夫、って笑ってくれる。
(あしたのあさは、みんないるといいなあ)
トリコの髪と同じ色の液体が、ぽつりぽつりとパックから流れて、リンの体に一滴、また一滴、と吸収される。
リンはぼんやりとそれを見ている。
この点滴は苦しくないかもしれない、と思う。トリコと同じ色をしているから。
(おこってもいいから、みんないるといいなあ)
せめて何の薬か知りたいけれど、リンには点滴のパックの字は読めない。
意味も知らない、入れられる理由も知らない。教えてもらえない。
でも明日、みんながあの部屋にいたら、とリンは思った。
トリコと同じ色だったよ、とココとゼブラに笑って教えて、サニーとトリコにだから大丈夫、と言おう。
そうしたらきっとみんな笑う、と思うと、なんだかリンは笑えてきた。
だいじょうぶ、と口に出して、リンは笑っている。
隣では研究員が、書類に何か書き込んだ。
リンは笑いながら、ぽろぽろ泣いて、
まだ少女にもなれない、それ程幼い彼女は、小さな手で顔を覆う。
どうしてみんながいないのか、その理由も、その意味も、帰ってくる時間も、帰ってくるのか、それすら、
リンは知らない、分からない、そして、教えて、もらえない……………………。

 

END.

 

ふぅ~…わけわかめですた。

無駄に長文になってしまったっていうねWW

ここまでお付き合いありがとうございます///

でわぁあ!!